第21回:「島は、おぼえている」——名前を授け、世界へ送り出す
公開日:2026年06月22日
挑戦のテーマ(今回の目的)
長い旅も、いよいよ仕上げの段階です。今回のテーマは3つ。スマートフォン対応、タイトルの決定、そして公開の準備。中身がいくら良くても、遊んでもらえる形にしなければ、ただの自己満足で終わってしまいます。
特にスマホ対応は急務でした。パソコンの3列レイアウトを小さな画面にそのまま押し込むと、操作ボタンが画面を圧迫してまるで遊べない。思い切って、スマホでは横画面専用とし、操作ツールを画面下部の横スクロールバーに、ステータスを上部に最小限だけ表示する、という別構成にすることにしました。
AIさんおねがい(指示内容)
タイトル決めは、AIに候補を出してもらいました。このゲームの本質――創造と破壊、何度も滅びて受け継がれる輪廻――を伝えて、詩的な案を頼みました。その中で、私の心を掴んだのがこれです。
「島は、おぼえている — Terra Meminit」
Terra Meminit は、ラテン語で「大地は記憶する」という意味だそうです。プレイヤーの破壊も創造も、絶滅も再生も、すべてを島が抱えて次の世代へ渡していく。このゲームの輪廻構造を、これ以上ないほど言い当てていました。名前が決まった瞬間、バラバラだった部品が一つの作品にまとまった気がしました。
AIの回答と、最初の結果
スマホ対応は、丁寧に仕上がりました。縦画面では「横画面でプレイ」と回転を促す画面が出て、横にすると専用UIに切り替わる。下部のツールバーは指でスクロールでき、ボタンも大きい。パソコンとスマホで、操作中のツールやミュート設定がそのまま引き継がれる作りにもなっています。
ただし、ここでも一度では終わりませんでした。スマホ実機で試すと、セリフとシステムボタンが重なる、セーブやスクリーンショットのボタンが反応しない、といった新たな不具合が次々見つかりました。画面が小さいぶん、パソコンでは気づかない問題が表に出てくる。一つずつ報告して、ギアアイコンにまとめる、ボタンの処理方式を変える、と地道に直していきました。「最後の1割」が一番手間がかかるのは、いつの時代も同じです。
「気持ちよさ」の追求
公開にあたって、私がこだわったのが2つあります。一つは、遊んでもらった記録をきちんと残すためのアクセス解析。プレイ時間や、どの文明レベルまで到達したか、スクリーンショットが撮られた回数などを計測する仕組みを入れました。どこで離脱されるかがわかれば、次の改善につながります。
もう一つは、コピー対策です。HTMLは中身が丸見えなので、まるごと盗まれて別の場所に再アップされる恐れがあります。そこで、自分の公式サイト以外ではゲームが起動しないように、ドメインを判定する仕組みを入れてもらいました。デバッグ時に困らないよう、本番とテストを切り替えるスイッチも付けています。完全な防止は不可能でも、安易な転載を防ぐ抑止力にはなります。
次への意欲(todo)
こうして『島は、おぼえている — Terra Meminit』は、ひとまず完成にこぎつけました。最初の「アリの巣みたいな面白さ」という曖昧なひとことから、よくぞここまで育ったものだと、感慨もひとしおです。あわせて、この奮闘記を読んでくださる方のために、広報用の概要書や、ゲームの世界観を一枚に込めたキービジュアルも用意しました。
次にやりたいのは、実際に遊んでくださった方の声を聞くこと。そして、その声をもとに、この島をもっと豊かに育てていくこと。60歳から始めたこの挑戦は、まだ終わりません。次の島が、もう頭の中で芽吹き始めています。