第20回:滅びの果てに別の知性が生まれる——氷河期・輪廻・進化生物

挑戦のテーマ(今回の目的)

いよいよ、このゲームで一番やりたかったことに挑みます。文明の輪廻です。栄えては滅び、また栄える。その繰り返しの中に、時間の壮大さを感じてほしい。今回はそのための仕掛けを、いくつも盛り込みました。

柱は4つ。①100年周期で訪れる「小氷河期」。これを乗り越えるには、島のどこかに火山(暖)が必要になる。②人類が滅びると、その遺跡のおかげで次の文明の進化が早まる「継承」。③そして最大の隠し要素――人類が滅びた後、まったく別の生き物が文明を築く。④星の彼方への旅立ちには、人類が複数回絶滅することを条件に加える。生と死を、もっと深く結びつけたかったのです。

AIさんおねがい(指示内容)

進化生物のアイデアは、私の中で一番ワクワクした部分でした。発生条件まで具体的に指定しています。

・人類が絶滅したあと、別生物が進化して文明を構築して、
 この島に住んでも良い。
 ※手塚治虫の火の鳥「未来編」で
  進化ナメクジが人類の次に繁栄したように。
 海に雷を当てすぎると、進化魚が文明を構築する。
 地震を発生しすぎると、地底人が文明を構築する。

プレイヤーの「行動の癖」が、次の支配者を決める。雷ばかり使う人の島ではタコが、地震ばかり起こす人の島ではキノコが栄える。同じゲームでも、人によってまったく違う歴史が刻まれる。この「あなただけの年代記」という感覚を、どうしても実現したかったのです。

AIの回答と、最初の結果

結果は、想像を超えていました。スライム、タコ、キノコ。3種類の進化生物が、それぞれ別の条件で出現します。しかも驚いたのは、彼らのセリフです。スライムは「液状化技術が実用段階ぷる。」、タコは「我々の祖先は陸を選んだ者の子孫だタコ。」と、語尾に種族の癖をつけながら、自分たちの歴史を日本語で語るのです。前の文明(人類)への言及まである。これにはうなりました。

小氷河期も実装されました。画面全体が青みがかり、雪が舞う。火山の近く(暖かい場所)に住む集落は生き延び、温泉が湧いて「温泉が体を温めてくれる」とつぶやく。さらに、火山の硫黄から火薬が生まれて文明が進む、というおまけの仕掛けまで。一つの注文から、世界がどんどん枝葉を伸ばしていきました。

「気持ちよさ」の追求

この回でこだわったのは、「滅び」に意味を持たせることでした。ただ全滅して終わりでは、虚しいだけです。そこで、人口10万人以上の状態での絶滅を3回繰り返して初めて、星の彼方への旅立ちが解禁される設計にしました。滅びは、次へ進むための階段なのです。

さらに、宗教を信じる文明では、住人がときどき「神よ、なぜ人類は滅ばなければならぬのですか。」とつぶやくようにしました。これは、隠された滅亡の条件への、密やかなヒントでもあります。プレイヤーが何度も世界を看取るうちに、その言葉の意味に気づく。そんな仕掛けです。あわせて、世界の状態を保存できるセーブ機能と、発展の様子を画像で残すスクリーンショット機能も入れました。

次への意欲(todo)

ゲームとしての中身は、ほぼ完成に近づきました。けれど、せっかく作ったものも、遊んでもらえなければ意味がありません。次の課題は、「届ける」ことです。

特に気になっているのが、スマートフォンでの遊び心地。今のままでは、小さな画面にパソコン用の画面が窮屈に詰め込まれています。次回は、スマホ対応と、そしてこのゲームにふさわしい「名前」を決めることに取り組みます。

AI:スライム・タコ・キノコの3種族のうち、ご自身が一番気に入っている(あるいは一番よく出現させてしまう)のはどれですか?

井草:タコいいよね。なんか火星人に占領されてるみたいで(笑)